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意地悪 五 
 女は指の動きを止める。
 ペニスを自分の脚の間に咥え、ほんの少しだけ腰を動かす。男が快感にうめく。2、3度腰を動かし、ペニスを抜く。
「止めるのか?」
「往生際が悪いのね」
 完全に侮辱した声色だ。
「お前のこと、好きだから」
 何をこの後の及んで言っているのだろう?開いた口がふさがらない。こいつ、ただのバカだ。
やりたいだけの男だ。私が、求めているのはそれだけじゃない。
 普通のことがしたい。呆れるほど普通のこと。共に食し、語り合い、歩く。それだけだ。その中に肉体的な快楽を共有することが含まれているだけだ。それが目的ではない。

 ペニスを口に入れると、顔を前後左右に動かす。割れ目に舌を入れ、舐め上げる。
「ダメだ、イキそうだ」
 女は口からペニスを出す。まだ足りない。こんな生易しいものじゃ駄目。
女の苛めは執拗だ。
 男のペニスは、女が知っている限り一番硬く屹立している。カリの部分を撫でただけで射精するだろう。今まで、女がしたどんな愛撫よりも、今が一番感じている。


 女は恋愛に対して無知だった。いつも同じ失敗をする。好きになりすぎて、疎まれる。女の全てが恋愛対象の男に左右される。
 何もかもを捧げる。「死ね」と言われたら、迷うことなく死を選ぶだろう。女の中には「与える愛」しか存在しない。
 よって、いいように操られる。待つことしかできないから、ただただ男を待つ。そして、捨てられる。
「自分が可愛いだけだ」と、女にとっては全く意味不明の言葉が残る。もう、二度と男に振り回されない。そうに決心するが、好きになると、そんな気持ちは淡く消える。
 同じことの繰り返し。その度に死の渕を彷徨うような苦しさと切なさに、翻弄される。眩暈と吐き気がする。
 好きなだけなのに・・・失恋の後、誰にともなく女はそう呟く。

 今回は同じ過ちを犯したくなかった。愛情が憎悪へと変化する瞬間、身体の中のマグマが噴出した。全身が火あぶりにあった気がした。腕が小刻みに震え、悔し涙が頬を伝い、女が着ていたカットソーに染みをつけた。
 女は戸惑った。自分の中にこんな黒い負の感情があるとは想像だにしなかった。男のことを愛していた。愛していたからこそ、憎み、怒りが爆発した。
 何もできない無力なこの愚かな男は、女のこころの闇に気づくわけもなかった。

 男から離れると、自分の携帯を持ってきて、動画モードにする。男のこの滑稽で惨めな姿を録画する。自分でも厭になる程非情な事をしている。こんな自分が大嫌いだ。
 それなのに、止めることがでいない。男が自分の気持ちを踏みにじったから。落胆して目の前が真っ暗になったから。もう、こんな辛さはいらないから。
 男のことが好きで好きで、ただ好きなだけなのに、それなのに・・・

 愛液をすくい、男のペニスに塗る。ヌルヌルのべちゃべちゃ。なんでこんなものが気持ちよくさせてくれるのか、全く理解できない。
「イッテもいいわよ」


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意地悪 四 
 ペニスを握ると、勢い良くしごきだす。
「止めろ」
 言葉とは裏腹に男は勃起している。ペニスの硬度は増す。感じて、身体をよじる。息遣いが荒くなる。
 バカ。男なんてどうしようもない生き物だ。
 ペニスの先から、液体が溢れてくる。それを亀頭に塗りつけて、指を上下に動かす。
「うう」
 男はうめく。それを見つめて女は嘲笑う。

 男には、女の意図していることが読み取れない。うすら寒い。自分が知っている女はもっとひたむきだった。
男にすがり付いて、甘えて、男に嫌われないように必死で自分を抑えている。そんな女を、からかうのが楽しかった。
 釣った魚に餌はやらない。それが男の信念だ。女など、いくらでもいる。今、自分のペニスを握っている女以外に、男を、愛していると付きまとう女が何人かいる。
その愚かな女たちに、俺は奉仕しているだけだ。寝てあげているだけだ。それで、欲求が満たされるならば、俺も、その相手に対して嫌悪感を抱いていないならば、それで充分だ。それこそ「愛」だ。
 男には、絶対の自信がある。どの女も、俺のことは裏切れない。俺じゃないとダメだ。
 なのに、今の女は男の自由にはならない。男の方が弄ばれている。

 女の気持ちは男にはわからない。計り知れないものが女のこころの奥底にあるのか?男のことを本当に好きなのか否かも、女自身でなければわからない。
そして、逆もまた然りだ。女には男が何を考えているのか知る術はなく、憶測に止まる。
男の言動に対して懐疑的になり、疑心暗鬼になっているだけかも知れない。
 男は、この辱めに際して女のこころの中のことを考える。何故、こんな行動をとったのか?自分がこんなことをされなければならない理由は何処にも見当たらない。
 理解できない。怒りが湧き起こる。

 けど・・・と一瞬だけ、その感情を抑える。
 女が自分に対するこの苛めの、そもそもの原因は何だ?
 俺は女に対して何か神経を逆撫でする事をしたのだろうか?何が逆鱗に触れたのか?
 今の女は、自分を愛し、想い、気遣った人間ではない。まるで別人だ。
 わからない。理解に苦しむ。

 恐怖すら覚える。それなのに、ペニスは、女の愛撫に素直に反応する。ビクビクと痙攣して、ある意味、一触即発状態だ。
 生の確保と快楽とは、どちらの方が重いのだろう?痛みさえも、気持ちイイ。苦痛の寸前で女が手を緩めているのだろうか?

 女は男に跨ったまま、左手でペニスの付け根を親指と人差し指で挟むと、激しくしごいた。
 女の脚の間から、愛液が止まることなく流れ出す。
「お前、なんでこんなことするの?やりたくないの?」
 男の声は、どこか不安げに震えている。
「したいの?・・・相手ならたくさんいるんでしょ?私じゃないとダメな理由なんてないでしょ?」
「そんなことない。お前だけだ。本当だよ、信じてくれよ」
 くだらない。呆れて言葉も出てこない。
「どの口で、そんな事言ってるの?私は、もう誰のことも信用も信頼もしないのよ」



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意地悪 参 
「ねぇ、また女に手出したでしょ?」
 目隠しをされているため、眼の表情は伺えないが、男が狼狽していることは手に取るようにわかる。
「そんなのいねえって」
「ふーん、そうなんだ」
 男の背に冷たい物が流れる。
 誰の声だ?こんなにも無機質で感情がない、ただの音のような声。甘さも冷たさもない。
寒気がした。

 女は感情を殺した。少なくとも、この男の前で泣くことも楽しく笑いあうことはもうない。表情は硬く、唇は微かに開いたまま、その口角があがることはない。
 人差し指で、男の勃起したペニスの先端をはじく。
「いてーな」
「痛いって感じるの?」
「当たり前だろ。それより、早くこの紐外せよ。殴るぞ」
「なんで?このままで充分じゃない。私がしたいようにするだけ」
 そこで言葉が切れ、次には女の怒りに満ちた声が激しく部屋の中に響く。男は耳を覆いたくなった。今まで、知らなかった女の暗い闇。
「あんたの物じゃないのよ。侮辱するのもいい加減にして。あんたみたいな男、真剣に好きになる訳ないじゃない。何、勘違いしてるの?私が、あんたがいないと生きていけないって思ってる?自意識過剰、プライド高い、その上ナル。最悪な人間ね」
 男は怒りが湧いてくるのを感じる。が、何も言えない。女の言ったことは的を射てる。

 無鉄砲で無邪気で、そしてずるい。危なっかしくて、見ていられない。だから女は男の傍に来てしまう。
「愛してる」
「お前だけだ。もう、オレだけのものだよ」
 そんな歯の浮く台詞を間に受け、恍惚の表情で恥らいながら頷いた自分が情けない。
 その口で、その優しく囁くような声音で、他の女にも同じ言葉を言っている男。きっと同じように誰彼構わず、自分に振り向いた女を抱くのだろう。
 気づいたとき、女はストレスで体中に湿疹ができた。掻痒で、皮膚がボロボロになった。メイクもできず、2週間、仕事を休んだ。その後、慟哭した。
 真っ暗な部屋で独りきり、男にメールをしても返信はない。携帯はアンサフォンだ。
男には、相手を思いやるという気持ちが欠落している。
 許せない、許せない。私の気持ちを弄び、他の女にも同じようにしている。私だけと言った筈なのに。何故、別の女にもそんな台詞が吐けるのだろう?
 そして、男は白を切り通す。けれどもそんな嘘は長く続かない。曖昧模糊とした会話になる。だんだんと胡乱な男なのか?と疑いを抱く。
 蔑ろにされ、女の中には男にたいする憎悪の塊ができていた。それを、認めたくなかった。認めてしまえば、今まで自分が男に抱いていた気持ちが「愛」ではないということになる。


 女は自分の膣に指を入れ、愛液をすくう。その指を男の口の中に押し込む。
「お前、感じてるんじゃん」
 微かに期待を含んだ声。男は、まだ女とセックスができると信じ込んでいる。

 女は感情のまま、男の身体を苛める。首筋に息をかけ、耳たぶを噛み、甘い吐息を耳に入れる。男は喘ぎ出す。自分では何もできない。女のなすがままだ。
「気持ちイイでしょ?途中で止める?」
「・・・入れたい。お前だってしたいだろ?」
 抗い続ける。
「別に」

 男の乳首を舌で転がし、軽く噛む。腋の下に吸い付く。薄い紫の痣ができる。キスマークは、男が嫌うことだ。他の女に見られたら、言い訳できない。
「止めろ」
 怒りに満ちた声で叫ぶ。
 身体の自由を奪われた男は惨めだ。いつもの高飛車な態度は、どんどん崩れてゆく。微かな動作で反応する。眼が見えない分、触覚が敏感になっているのだろう。
 足首からロープを外そうともがいている。そんなことしたって無駄よ。両手はベッドのパイプに縛り付けてある。両手は離して結んであるから、どちらかの手が自由にならない限り、ロープを解くことはできない。

 もっと、ずたずたにしてあげるから。醜態を味合わせてあげるから。女は口をきつく結んだ。部屋の中に、ゆらゆらとした魍魎のような静寂が一瞬訪れた。



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意地悪 弐 
 ペニスの割れ目を舌で舐めると、ヌルリと液体が溢れてくる。
 男も女も大して変わらない。ならば、同じような事をすればいいまでだ。女が感じるところを男に愛撫すればいい。けれど、決して男にはさせない。男の口から、なにやら声らしきものが出ている。男が眼を醒ましたのだろう。
 女はそんな事は無視して、亀頭を舐めまわし、カリの部分まで口に入れる。
 くぐもった興奮した声が、声にならず部屋の中に漏れ始める。


 冷蔵庫の中から炭酸飲料を持ち出し、一口含む。そして、ペニスの先端にゆっくりと垂らす。ペニスが反応し、ピクリと頭をもたげる。男の身体がゾワゾワとしている。笑いがこみ上げてくる。
 ふぐりを口に入れ、思いっきり吸い込む。男の苦しげな声がタオルの隙間に染み込んでゆく。強く吸うと痛がった。知っていて、女は何度も少しずつ位置を変えてふぐりを吸う。
 苦しみにうめく姿がおかしい。間抜けだ。こんな勝手な奴のことを何故、自分は好きになったのだろう?

 そもそも、「好きになる」というのは何?無意識に起こっている感情。自分自身のコントロールできない潜在意識の中で沸き起こる感情。
 「嫌い」も「憎い」も「期待する」も全てそうだ。意識して、期待するなんて事はない。だから、裏切られたと感じた時に、怒りが爆発する。

 たとえばそれを「諦め」と呼んでいいのならば、女は男との関係に終止符を打つ。たとえ忘れることができず涙で眼が腫れても、見ることの決してない他の女を妬み、嫉みを感じても、未練らしいものを自分の周りから排除する。
 男は、女が別れを選んでも、いつか又逢えるだろうと、うつつを抜かす。こころの端には「女が自分を愛していた」という過去の分厚いファイルがシュレッターにかけられることなく、開かれる日を待っている。
 女のこころの中は、男への想いと憎しみで潰れる。それでも、いったん決めてしまえば、女のほうが潔い。男は長い時間をかけて、その事実に気づく。


 女は、猿轡を外す。男が大きく息を吸った。
「何、するんだよ」
 情けない声を出す。
 その声を無視して、女は男の顔の上に自分の乳房を当てる。釣鐘のように下がった乳房。乳首で頬を撫でる。男が優しく吸った乳首。
男が顔を動かす。母親の乳を求める赤子のようだ。鼻の上に乳房を乗せ、そのまま留まる。男が顔を動かし、必死でその乳房を口に入れようとする。
「なぁ、こんなことしてどうなるかわかってるのか?」
「わかってないのは、どっち?」
 女が笑い始める。冷え冷えとした高笑いが壁に当たり、戻ってくる。

 男の携帯が鳴る。
 きっと、女だ。新しい女か、継続中の女か。そんなのはどうでもいい。
 その女たちも「自分が彼女」と信じて疑っていないだろう。自分がそうだったように。
「お前だけだよ」
 と、大時代のドラマの台詞のような言葉を鵜呑みにする。
 携帯は、誰にも相手にされず切れた。そして、しばらくするとまた鳴り始める。テーブルの上をバイブ設定された携帯は、微かに移動する。
 男は気付いていない。


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意地悪 壱 
 男と女は付き合い始めてから、当たり前のように身体を重ねる。それが愛情なのか、欲求の捌け口なのか。
 最初は可愛らしく愛おしく感じた女を、徐々に馴れ合いで抱くようになり、優しさのある人と感じたことが、ただの優男だといぶかしむようになる。性行為も等閑になる。男は、疲れていると言い、愛撫の最中に眠ってしまう。行為の後、そそくさと背を向けて寝入ってしまう。
 悲しさよりも寂しさよりも、男への怒りが沸いてくる。勘ぐるようになる。他に女ができたのではないかと。

 ある夜のベッドで、男はまた女の身体の上で眠ってしまった。
 女は中途半端な前戯で、途方に暮れる。肉体の欲求ならば、マスターベイトで何とでもなる。男のペニスなんて必要ない。ローターでもバイブでも、指でも。イクだけならなんとでもなる。
 だけど、霞んでしまったこころの中には、相手のいない嫉妬がマグマのようにふつふつとしている。

 何度目かの時に、ふと女は男に意地悪をしてみたくなった。軽い気持ちだった。
 男が苦しみと快楽と屈辱にに身もだえする姿が、どうしても見たくなった。それを静観しながら、男を苛めてみたくなった。自分の手で。口で、全身を使って。

 男は熟睡してしまった。女はベッドの上に胡坐をかきそんな男を見つめながら、煙草を吸う。どうにしようか、と思案する。
 1本吸い終わると、バッグの中に忍び込ませておいた、細いロープとスカーフを数枚。男の手首をベッドに、それぞれ縛りつけ、両足首も結ぶ。
 幸運の天使は女の下に舞い降りている。この部屋にあるのはパイプベッドだった。
 まだ、男は鼾をかいている。
 スカーフで目隠しをした。少し考えてから、タオルを持ってきて猿轡をかませた。
 男の身体に跨ると、首筋から耳元へかけて口で愛撫する。眠っているのに、男は鳥肌を立て、ペニスが反応する。



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